メディア環境論スク1日目2015/10/02 23:40

 10月は「メディア環境論」と「コミュニケーション研究Ⅰ」のスクーリング。17、18日の週末以外の週末3日間はスクーリングになるので、ハードな1カ月になりそうだ。さて、メディア環境論のスクーリング1日目。学割で買った乗車券を携えて、6時47分那須塩原初の新幹線で新宿に向かう。大宮経由より210円高くつくが、乗り換えが煩雑になるで東京経由にした。9時30分新宿サテライト到着。爆弾低気圧の影響で交通機関が乱れていたこともあり、定刻になっても4人の受講生が現れない。

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 講師は短パンで登場のY内先生と、女性のT橋先生。簡単な自己紹介のあとに、さっそく「関係づくりワークショップ」。全員輪になって人間椅子を作ったり、目をつぶって誰かと右手をつなぎさらに誰かと左手をつなくいで、複雑に絡んだ人間の輪を解きほぐすゲームや、サテライトにくるまで時間がかかった順に並ぶゲームなど…。なるほど、関係づくりというか、それらゲームをとおして、和気あいあいの雰囲気になってくるワークショップだ。打ち解けたところでグループ分け。この時点で14人、4人のチームと3人のチームに分かれた。ランチもチームごとにとるように指示され、その関係性を深めてゆく。それも授業の一環。

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 午後からは「仕掛けてみよう!ワークショップ」、これは、知り合うきっかけを作ったり、コミュニケーションを深めるための仕掛けを、チームごとにアイデアを考えて、やってみるというもの。僕らのチームは、通信教育ならではの愚痴を共有して、人間関係を深めようというトーク系のイベントにした。イベントのメーミングは「グチコミ」。円状に並べた椅子に座ってもらい、一人20秒でグチをいう。時間が来たら途中でも次の人に変わる。イメージ編集などの具体的な課目名が出てきたり、思わぬグチが飛び出したりと、それなりに面白く仕掛けることができた。その他、グループメンバーの共通項をポストイットに書き出してその数を競ったり、ムンクの叫びやモナリザなど、出題された名画のポーズをジャスチャーで表現する仕掛けだったり、メンバーを野菜や食べ物に見立てて当てさせる仕掛けだったり、それぞれグループごとに、面白い仕掛けアイデアが実践された。

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 さらに、今回の授業のポイントともいえる「メディアであると思えるモノ・コト」のキーワード探し。思いついたものをポストイットに書き出し、ホワイトボードに貼って、それをセグメントする。「メディア」の概念は広いし、人によって解釈が様々なので、いろいろなキーワードが出てくる。正解があるわけではないから、なぜそれがメディアと思えたかを各自説明をして、先生が感想をいうようなやりとりが続く。最後に、2日目のスケジュール説明があり、お開きとなった。

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 この授業、特に理論的なことを教えてもらうのではなく、テーマに沿って「自分たちで何かを考え、自分たちでその答えを出す」という、クリエィティブ系の大学ならではのものだと思う。文章ではひと言では説明できないけど、なかなか面白い変な授業です。

メディア環境論スク2日目2015/10/03 21:32

 スクーリング2日目。午前の授業は、メディアと思えるキーワード探しの続き。4つのチームがそれぞれディスカッションしながらキーワードを積み重ねる。ニッチなものからボケとかウソのような心理的なものまで、さまざまなキーワードがホワイトボードを埋め尽くす。

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 その後、教室内にあるものなんでも良いから、形を集めるというワークショップ。それを小さなものから大きなものへと並べる。偶発的だがまるで計算したようなアートになるところが面白い。どんなカタチでも「まとめる」や「並べる」とかすると何か別の情報を発信しだす。こうして新しいクリエィティブの可能性が生まれるのかもしれない。

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 午後のメインはフィールドワーク。御茶ノ水の「東京水道歴史館」を見学する。中央線御茶ノ水駅から徒歩5〜6分、水滴君が出迎えてくれた。エスコートの女性職員の説明を聞きながら館内を回る。時代小説などで多少江戸の水事情は知っていたつもりだが、これほど考えられたものとは思わなかった。正直すごいです。多摩川上流の羽村から四谷大木戸まで高低差約90m、約43キロの水路を掘って、江戸市中に供給していたという。新宿大木戸からは地下に潜り、石樋や木樋を使って市中に点在する大名屋敷や町人が使う共同井戸まで送られる。その井戸端で集うシーンは時代劇ではおなじみだ。江戸時代の水道設備から現代の東京の水道行政までが展示されていてなかなか興味深い展示だった。

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 江戸時代の水道の興味は尽きないが、なぜ「東京水道歴史館」というと、今回の2週にまたがったメディア環境論の本課題が「水をキーワードにした新しいメディアを考える」だから。水の解釈は様々だが、最終的に、コミュニケーションの対象になるもの、いわゆるメディアを考えて具体的に制作するというのがミッションだ。漠然としすぎていて、今の時点では何をプレゼンしていいのか全くわからない。「メディアを遊ぼう」というタイトルが付いているので、水を何かしら使うことが必要と思えるし、みんなが参加できるワークショップ的形式がベターだというのはわかるが、「メディア」、「水」、「新宿」「コミュニケーション」「フィールドワークから感じたこと、学んだこと」それらが、どうしても一つにならない。楽しいし肉体的にも楽なスクーリングなのだが、頭の中は悶々としてすっきりしない。見えないゴールに向かって走っているような感じ。

 多分アタマであまり考えないほうがようのだろうな。フィールドワークと授業の中から感じたり気づいたことを具体化するべきなのだろう。多分…

メディア環境論スク3日目2015/10/05 08:54


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 スクーリング3日目、前半の最終日だ。武蔵美通信のサテライトのある新宿は今日も快晴。午前中の前半は特別講師の陣内先生の講義。メデア環境論とは何かという内容と、それまで集めたメディアのキーワードを時系列的に並べてみようというワークショップ。面白いことにキーワードの半分近くが太古から中世以前に並んでしまう。つまり今認知されるメディアのほとんどは大昔から存在していたということだ。またメデア環境論に関わりのある書物も紹介していただいた。

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 その後は、各チーム別々に新宿周辺のフィールドワーク。僕らのチームは玉川上水の内藤新宿分水を調査することにした。腹ごしらえをしてから、新宿駅初の100円周回バスに乗って新宿一丁目へ。新宿御苑の東側に大木戸門から、インフォメーションセンターまで散歩道が整備されている。多摩川・羽村から引かれた玉川上水は、大木戸から地下に埋設された石樋や木樋を使って江戸市中に供給されていたことは以前語ったが、四谷と新宿を、まるでブラタモリのようにして玉川上水の痕跡を訪ねた。玉川上水からきた水をコントロールして増水の時に水を放水する余水吐の暗渠跡など、興味深い江戸の痕跡が所々に残っている。大木戸から新宿高校を経由して新宿南口まで、玉川上水を遡上して、本日のフィールドワークは終了。

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 教室に戻り、中間報告の内容をディスカッション。しかし、問題はフィールドワークと「水」、「新宿」をロジカルにつなぐコンセクトがなかなか出ないこと。とりあえず「水路はメディア」ということで、思考を展開。水路を電信ケーブルに見立ててを情報を流せないだろうかとか、水に文字を書いてメディアにしようとか、水をインターネットのネットワークの概念で結びつかないかとか、まさにプレゼンテーマも、具体的な内容も混沌。取り急ぎ本日の成果をまとめて発表。こうして前半のスクーリングを終えた。

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 後半のスクーリングは10、11、12日。水に文字を浮かべるという技術的なアイデアは出たが、それをどうメディアに、そしてコミュニケーションに結びつけるか。もっと別な切り口はないか、もっといいアイデアはないか、最終プレゼンのテーマも内容はまだ決まっていないから、もっと考えアイデアを出すことを宿題にして、後半のスクーリングまでにみんなで考えることにした。

ストーリー写真の結果2015/10/06 11:59

 映像メディア表現Ⅱの通信課題「ストーリー写真」が戻ってきた。残念ながら70点。スクーリングの80点との平均点が75点、従って「良」という結果になった。ともかく2単位ゲットは嬉しい。

ストーリー写真結果

以下講評。担当はYM先生
「たまごに」ついて
 ”たまごは可能性の塊である”とても良い言葉の響きです。また、卵の殻の色と質感が上手く写真で表現されています。しかし、作品の内容と表現については、たまごに対する言葉的なイメージが強すぎて、写真表現映像表現)としてはやや物足りない印象です。たまごが持っている視覚的な特徴を、もう少し深く考えてみるべきではないでしょうか?また表現の内容と映像進行は分かり易いのですが、映像展開に乏しく、視覚的な変化が欲しいと感じましたどこか予定調和に見えるのが残念です。

「親と子」につて
 作品を通してすがPAPAさんの娘と孫に対する深い愛情が伝わってきました。特に母と子が一緒に寝ている最後の写真はすがPAPAさんの暖かい視線が感じられるとても良い写真だと思います。しかし、学習指導書に、課題制作のルールとしてドキュメンタリー的な表現で作品を制作しないように書いてるように、本作品は課題の趣旨には合わないものになっています。とはいえ、家族の写真を通して、親と子の絆が伝わるとても心温まる作品を拝見させていただいたと思います。

コメント
 写真を撮ることは簡単です。しかし、写真によって表現し、伝えることは簡単なことではありません。本課題制作の経験を基に、写真がより有効な表現手段として加わることを願っています。卒業に向かって頑張って下さい。

 以上、心温まる講評をいただきました。「たまごに」ついては、たしかに足りない印象、最後のカットに浮かんだたまごが落ちて割れるというシーンでも入れたほうが良かったと反省です。ストーリーの基本は起承転結、アイデアが浮かんですぐに作品にしてしまったので、もう少し粘るべきだったと思う。「親と子」につては、ドキュメンタリー的な表現はNGということを見逃していた。自分としては、特にドキュメンタリーと考えたわけではないのだが…。でも撮影者としての僕の気持ちが伝わって良かったと思う。この科目の反省は「もっと冒険を!」いつものことだが、綺麗に地味にまとめてしまうところが学生っぽくないのだ。一般的な商業デザインではやりすぎは絶対NG、だから、ある程度万人受するように角を丸める。それが予定調和的になってもである。デザインビジネスの場合、たまに飛び出すホームランより確実にヒットにするほうが経営的には重要だからである。こうした悪しきプロ感覚から脱皮するのが、僕の最大の課題だ!!

メディ環スクの合間に2015/10/08 20:51

 メディア環境論、後半が始まるまで中5日。この間に少しでもコンセプトや文字を浮かべるなどの技術的なアイデアをできるだけつめておいたほうが、プレゼンンテーションまでの1日半を有効に使えるので、LINEで情報交換をした。スクーリングが前半と後半に分かれている場合、合間の4日をどう使うかで勝負がきまる。グループワークの場合は、情報共有をしてどこまでアイデアを絞っていけるかだ。

LINEで意見交換

 水に文字を浮かべる案については、「オブラートに油性マーカーで文字を書くとオブラーオだけ溶けて、文字が残る」というネット情報を実際やってみたが、オブラートは完全に溶けないで残ってしまう。また、これがクリアできたとしても、教室で実際に水を流すことは現実的には厳しい。そこで、技術的に何ができるかをLINE上でムービーや画像をまじえながらみんなで検討、試行錯誤の結果、術的には、「水出し文字」と、「水で文字が消えるペン」を使って、「水に流す」という日本独特の文化を表現し、それをコンセプトにすることにした。また、架空の神社を設定して、お札に水の流したいことを書いてもらい、それ水につけると、幸せになる言葉(神の御託宣)がでてくるという仕掛けも決めた。全体の流れは、後半みんなが集まったときに、ディスカションして決めれば良い。

消え文字テスト

参考書籍

 後は細部をどう作り込んでいくかだ。幸いなことに、僕は現時点で毎日が日曜日状態なので、細かいグッズをスクーリング後半までにザックリと作ることにした。「日本人はなぜ水に流したがるのか(著者:樋口清之)」、「水と日本人(著者:鳥越 皓之)」という本があったので、コンセプトの裏付けの参考にした。