陶磁工芸実習Ⅰ、最終日2016/08/21 22:06

 スクーリング最終日。午前中(12時)までが制作実習、ブタの蚊遣りの脚をつけて完成!昼まで1時間30分ほどあったので、唯一やっていない技法の手びねりに挑戦することにした。作るのはブタの楊枝立て。この5日間で粘土の扱いにずいぶん慣れたので自分ながら手早い。しかし時間が時間なので少し荒削りだが、1時間ほどで楊枝立てを完成させた。

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 お昼休みを挟んで午後から掃除、綺麗にしたスペースに作業机を14台並べる。その半分が各自の展示スペースだ。作品は後で助手さんが施釉・焼成してくれる段取りで、2〜3ヶ月後に出来上がったものが送られてくるが、展示が終わったら、そのための指示シートと宅急便の伝票を書く。

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 それまで自分の仕事で手いっぱいで、他の受講生の作品はまあり見ていなかったが、改めて机に並んだ作品を見る。同じテーマなのに、どれとして同じものはない。作品の良し悪しはべつとしてそれぞれの個性が表現されている。僕のように少し工業デザイン的なものから、いかにも粘土で作りましたというものまでさまざま。この多様性が粘土の良さなのだろう。自分自身の作品を振り返ると、少し工業製品的過ぎたかなという思いもあるが、今回の僕のテーマは捨てられない陶器、使える陶器作りがテーマだったので、それはそれで良しとしよう。粘土を扱う基本はしっかり学習できたので、次の機会があったら、粘土の特性を活かした面白いものが作れそうな気がする。

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 そして講評会は2時からはじまった。講評は西川教授。4時に次の講評があるのでそれまで終わる予定だ。メインで西川教授が話し、それをフォローする形で武田先生が話す。しかし、冒頭の講評そうそう受講生の私的な話もでるなど、なかなか先に進まない。さらに受講生の意見を求めるなどするから、余計に時間がかかってしまう。おしりが決まっていないなら、時間が押す分には、いっこうにかまわないが…案の定、1時間を費やして10名ほどしか進んでいない。途中、武田先生が少し早めましょうかといって、多少はスピードが速くなったものの、余分なことを話す受講生に付き合って話が長くなったりする。結局、4時を15分ほどオーバーしたものの、僕を含めて6人の受講生が西川教授からの講評を受けることができなかった。武田先生からの講評はいただいたが、6日間の中で制作中の作品を見てもらっているし、やはり作品を客観的に初めて見る西川教授からの講評が欲しかった。残念というか悲しい気持ちになってしまった。

 この講評の件、例年はどうかわからないが、改めて考えると生徒に対してとても失礼な話ではないかと思った。受講料を払って交通費かけて6日間も通っているのだ。受講生にとってスクーリングの最大のハイライトが講評会だ。教授に講評してもらうことに大きな意味があるのだ。講評会のマネジメントをどう考えているのだろう。タイムリミットが決まっているのなら、一人にどの程度の時間を割けばいいか簡単にわかるはずだし、正確を期すなら時間を計りながら進行すれば良いのだ。完璧に時間通りにとはいわないが、参加者全員に講評するという意識がないのではないかと疑問に思ってしまう。単位をもらえればそれでいいという話ではない。実習が楽しかっただけに、後味の悪いスクーリングとなった。

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   ▲講評後、焼成釜のある部屋へ受講生のすべての作品を運ぶ。

 出来上がった作品の到着は2〜3ヶ月後。とのような上がりになっているか楽しみである。蚊遣りはすでにシーズンが過ぎてしまっているから、来年登場ということになる。後味の悪いスクーリングとなったが、卒業制作以外のスクーリングはこれにてすべて終了となった。なんとなく寂しいような気もするが、この2単位を加えて合計107単位。9月中旬の当面の目標108単位まであと一つ。9月4日には、工芸論2単位、建築史4単位の科目試験が待っている。とりあえず試験に向けて頑張ろう!

陶磁工芸実習Ⅰ、4日目2016/08/20 22:37

 これまでのスクは夏休み期間を避けていたこともあって、連続3日間が最長だったが、今回は6日間、休みが欲し〜いデス。と、愚痴をいっても授業は続く。真夏の青空の下、老体に鞭打って今日も学校へ向かう。

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 スクーリング4日目は引き続き制作実習、特に技術的なレクチャーはなく、ひたすら粘土遊びの1日だ。まず、作りかけのビアマグ風ペンたての仕上げ。適度に乾燥したボディをカキベラで削って形を整えてゆく。ビアマグはボディラインがポイントだから慎重に削り出す。できるだけ薄くしたいので内側も削る。綺麗にボディシェイプが整ってら次は表面加飾。装飾は細かい横の筋目を全体に入れた。それだけではつまらないので、なんとなくキャラクター性をつけるために鼻のようにも見える球体をくっつけた。オリジナリティが出てけっこう気に入ったデザインになった。

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午後からは小さな小物入れを作る。ビアマグ風ペンたてが、なんとなくキャラクター性を持たせたのに対して、もっと具体的なキャラクターにしようと、いろいろ考えた結果、ブタに見立てることにした。なぜブタかっていうと、丸いフォルムにマッチするし、ウサギや犬や馬などを作っている受講生がいたので、被らないキャラとしてブタさんにした次第。ビアマグと同じく紐作り。小ぶりな分だけ紐を積む数も少ないので、サクサク作っていける。
本日は、以上の2点おの成形を完成させて終了とした。

陶磁工芸実習Ⅰ、5日目2016/08/20 21:48

 低気圧接近中!台風の影響もあって朝から雨模様。国分寺北口から西武のバス停まで少し歩くので、土砂降りの雨は勘弁して欲しいと思っていたら、いいタイミングで雨が上がった。さて、残すところあと二日、栄養ドリンクを飲んで頑張ろう。
 スクーリング5日目、今日も朝から制作実習。2日目に作ったオタマ立ての仕上げ作業から始めた。かなり乾いて白くなったオタマたての表面や角を剣先やヘラを使って滑らかしてゆく。前日までかなり硬くて壊れそうになかったので、壊れることなど気にしないでガシガシやっていたら…なんということでしょう!うっかり力を入れ過ぎて、穴のあいた部分を割ってしまったのだ。緊急事態発生!さっそく先生を呼んで修復を依頼。ここまで乾燥が進むと接着することが難しいとのことだが、壊れた断面に水をつけて少し柔らかくしてから断面をなじませドベをつけてつなぐ方法で、なんとか修復をしてもらった。しかし、傷を完全に消すことはでいないし、とりあえずつながっている状態だ。乾燥が進んで白っぽくなると、粘土がもろくなって壊れやすいそうだ。それならそうと早くいってくれればもう少し気をつけたのに…

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 気を取り直して、紐作りの大物に取り組む。粘土がずいぶん硬くなってきたので水分を加えて、初日の硬さまで練り直す。とりあえず作るのは直径15cmほどのツボ、それを加工してブタの蚊遣りにしようという目論見。粘土を柔らかくしたおかげで作業が早い。高さ17センチほどのツボが出来上がった。その高台部分を底ごとくりぬき基本形が完成。

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 乾燥の頃合いを見てカキベラで成形、耳と尻尾をつけ、目の穴を開けた。制作実習は最終日の午前中まである。脚つけと細かい仕上げは明日やればいいので本日の作業はこれにて終了とした。

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 つい先ほどまでの土砂降り雨もタイミングよく上がってくれた。紫色の夕暮れの空を見上げながら、5時44分のバスに乗って帰途につく。

陶磁工芸実習Ⅰ、3日目2016/08/18 22:05

 スクーリング3日目。前日と同じ大宮発7時3分の湘南新宿ライナーで国分寺へ向かう。北口のファミマで栄養ドリンクを買って飲む。陶芸は力が入らなさそうで意外と疲れる。土練りでは肩や腕、手のひらを使うが、手ろくろを回して成形するときには、指先や手のひらの位置を固定するので、いつも使わない筋肉を使っている感じだ。三日目にして疲労が溜まってきている。

 さて、本日の講義は成形後の一連の作業の説明。スクーリングでは成形までで、施釉や素焼き、本焼成は助手さんや学生が代行する。その辺の知識を一応理解してもうのが目的だ。成形後の作業は、乾燥(ゆっくり自然乾燥)→素焼き(窯詰め:750℃前後で焼成~窯出し)→絵付け(今回はなし)→・施釉(表面がガラス質になって防水性と強度が向上する)→本焼成(窯詰め:1200℃~1300℃でじっくり焼成~窯出し)→完成、といった流れだ。
 講義の後は、引き続き成形実習。前日成形したお玉入れがビールのジョッキに似ていたので、紐作りで美雨具を作ることにした。テーマ上ビアマグとはいえないので、ペンたてもしくは筆立てということで(笑)手ろくろの上に高台部分の粘土を置いて真円にカット、その上に15っm程度の粘土の紐を作って一段ずつ下段となじませながら積んで行く。この技法、油断をするとどんどん広がってしまうので、広がらないように両指先で少し粘土をすぼめながら上へ上へと伸ばしては積んで行く。大まかに形が出来たところで一旦ストップ。あとでカキベラなどで成形するため、濡れ雑巾をかけて乾燥スピードを抑えながら適度な固さになるまで放置する。

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 本日は以上というわけにいかないので、余っている前日の粘土板で小物入れを作ることにした。ある程度水分の飛んだ粘土板はかなり硬くなってはいるが、まだ剣先(カッター)で簡単に切れる。ストレンボードの工作のように、パーツごとにカットして接着するだけだが、その接着剤というのはドベと呼ばれる同じ粘土をゆるのペースト状に伸ばしたもの。双方の接着面に傷をつけて、ドベをはみ出るぐらいにつけて圧着。簡単に箱上なものは成形できる。ただの四角い小物入れを作ってもつまらないので家型のデザインにした。さらに、粘土板に模様をつけるためのスタンプも制作。

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 ということで3日目も定時終了。大学前5時44分発のバスで、帰途につく。この時間でも大宮につくのは7時30分前後、夕食を買って帰ると、隠れ家到着が8時ごろになってしまう。往復で4時間の通学は疲れます。

陶磁工芸実習Ⅰ、2日目2016/08/17 22:53

 昨日から、さいたまの隠れ家での自炊生活、那須塩原より近いとが家ドアツウドアで2時間かかる。6日間の長丁場なので体力を消耗しないように、国分寺北口からバスで本校へ向かうことにした。20〜25分の時間だがクーラーも効いて快適だ。

 スクーリング2日目、朝教室に入ってすぐにタタラづくりの粘土板を作る。点呼の後、9時30分から生ざまな装飾法の実習。今回は絵付けはしないので、表面を加工する装飾法がメインだ。表面を引っかいたり、何かで押したり、半乾きの状態で削ったり、穴を開けたり、などなど…比較的手軽な装飾法を実演を交えてレクチャーしてもらう。

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   ▲タタラづくりの準備。木板を厚みのガイドにして、
    ワイヤーでスライスすると簡単に粘土板ができる。

 ここから、自分の作品の制作にとりかかる。僕が課題のテーマにそって考えたのは、おたまと菜箸を立てるもの。普通のおたまたてはててる方向が決まっていて少し使いにくい。少し乱暴におたまを扱っても立てられるカップ型のデザインを考えた。成形法はタタラづくり。一案は円柱にひれをつけたようなスタイリッシュなデザイン、内側に菜箸たての仕切りをつける。もう一案は大小の円筒繋いだもの、大きな円筒はおたま用、小さな円筒は菜箸用だ。円柱の芯に粘土板を巻いて形を整えてから底板をはめ込む。細かの作業は、てろくろを回しながら少しずつおこなう。細かい作業でわからないとことは、即助手さんに聞いて確認。壊れないように恐る恐る仕上げていった。

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 とりあえず課題はイメージ通りに完成させたが…まさかこれでおしまいってことではないだろう。初日に「いろいろ作っても良いし、じっくり一つを作り込んでも良い」とのことだったし、粘土だって1kgも使っていない。明日は何を作ろうかな。