絵本のその後2012/06/09 15:42

絵本のスクーリングは疲れたが充実感があった。手で切り貼りするのは、普段パソコン画面上でしか仕事をしていない自分としては、久しぶりの良い刺激になった。ものづくりの原点はやはり手で作ることだ。ということで、WEBキャンパスをのぞいたら、スクーリングの評価は85点と出ていた。
 
 さて、あらためてスクーリングの講評の言葉を振り返る。「完璧に設計するのもいいが、素材から生まれる偶発的な表現なども考慮した方が面白いものができる」…まさにクリエィティブの面白さはそこにあるはずだが、なかなかそうはできない。それが85点たるゆえんだ。手で作るかPCで作るかにかかわらず、せめて学校の課題だけは、自分の意思を全面に押し出した作品にしたいと思う。それがどう評価されようともだ。それだけの勇気を出せるかが問題だが…

現実のグラフィックデザインはますますPC依存の傾向が強くなっている。手書きのカンプでプレゼンしていた頃が懐かしいほどに遠い昔になってしまった。今のクライアントはデザインラフであってもその精度を求めるし、とてつもないスピードで仕事が動いているから、手書きの時代に返ることは無いだろう。すでに経済活動に絡めとられたグラフィックデザインはますますビジネスとして先鋭化して、そのうち手の届かないところに入ってしまうのかもしれない。まあ、学校の課題ぐらいは手書き、手作りを楽しむべきなのであろう。

写真は、完成した絵本の表紙と、中ページの抜粋。

絵本スクーリング最終日2012/06/03 20:10

絵本3
昨日は、パーツの切り出しをして一段落したのが3時過ぎ。今日があるので少し寝ることにしたが、残りの作業を考えると翌日の午後3時30分の提出はぎりぎりのライン。表紙のアイデアもコピーもまとまってないからなのか、布団に入っても神経が高ぶっていて寝付けず、5時30分に起床してシャワーを浴びて、身支度を整え6時57分の新幹線に乗った。すっかり熟睡してしまい気がつけば東京駅。掃除のおじさんに起こされた。

さて、制作作業の方は、最後の追い込み。話のクライマックスシーン、 黒いキャラクターのシルエットが入った紺色のラシャ紙にホワイトペンで星を書き込む。満天の星のイメージだ。絵が完成したら、文字を書き込むが、これまた神経を使う。失敗したら苦労が水の泡。昼休みを挟んで、本文の書き込みのすべてを完了。
これに見返り2枚をいれて大きなホチキスで止める。ページの順番を間違えたり、逆さにいれたりしたらアウトだから慎重に進める。その後にハードカバーと本体を両面テープと糊で固定。ちょっとコツがいるから、先生が手伝ってくれる。これで本の体裁にはなったが表紙がのっぺらぼう。講評まで後30分。アイデアをレイアウトに落とし、紙を切って貼り付けて、「途中でいいから、みんなに閲覧してもらうように」という声を無視して、最後に表紙にタイトルと著者名を書き入れて、とりあえず完成。ギリギリセーフだった。

学生一人一人が作品を発表して、先生がそれを講評する。改めて感じるが、うまい下手は別として、それぞれの作品が個性的で面白い。表現も、ストーリィーも、良くできていて可能性を感じさせる作品も数多くあった。私の講評は想像に任せますが、自分自身ではコンセプトも表現もストーリィーもかなり練りこんだ作品だし、仕上げも時間に追いまくられた中ではそれなりの完成度になった。講評の最後に付け加えられた言葉は、「完璧に設計するのもいいが、素材から生まれる偶発的な表現なども考慮した方が面白いものができる」的な意味のコメントだった。まさにおっしゃるとおり。その辺を克服したい。

久しぶりの手書きと切った貼ったで、さすがに疲れました。今日は久しぶりにぐっすりと眠れそうだ。

写真(上)紺色のラシャ紙にホワイトペンで星を書き込んだ満天の星の完成ページ。(下)講評風景。

絵本スクーリング2日目2012/06/02 18:43

絵本2
今日は、昨日のからの続きの作業。誤算だったのは、ラシャ紙の色数が少なかったこと。中間色や濃い色がないから、色数を使うと妙に幼稚に仕上がってしまう。それで色鉛筆で加色して色調を整えるなどの工夫が必要になってくる。モノクロなど、色数を絞ったシンプルな構成のアイデアの方がよかったと思ったが、時すでに遅し。さらにフキサチーフは厳禁だから、色止めができないのでこれまた厄介。

とりあえず、ある色だけを使ってコツコツとパーツの切り出し。切り紙を前提に企画をしたものの、パーツの数が多くて、なかなか作業が進まない。新宿教室から追い出される18時前まで頑張って、ざっくりとした背景は何とか形になった。問題は細部。ビルがたくさん出てくるのでサイズの違う窓が無数に必要だし、さらに主人公のうさぎキャラクターはまったくつくっていない。背景だけじゃ話にならないので、キャラは省略って訳にはいかない。途中ハードカバーの作り方の講義が1時間ばかり。さらに、今日中にカバー作ることが義務づけられているから、さらに30分。時間はどんどんなくなってしまう。

明日の提出時間は15時がリミット。それを考えたら家に持ち帰って作業しなければ間に合わない。「無理して徹夜しないでくださいねっ」て、笑顔でいうけど…徹夜するほど体力ないから、できるところまでしかできないけれど…年寄りには向かない課題ではある。しかし、意外と年配の方が多いんだこれが…。

写真は、(上)ダミーに合わせてラシャ紙を切って並べたところ。(下)ラシャ紙と違う色調にするために、色鉛筆で加色して張り込んだページ。

絵本スクーリング初日2012/06/01 18:39

絵本1
今日から3日間、新宿サテライトで絵本のスクーリング。体育会系でかなりハードだという噂の科目だ。昨年、造形基礎Ⅱの時に、大竹先生に「絵本は面白いよ」とそそのかされて、つい履修登録してしまった。果たしてその大竹先生のグループになった。

「多い少ない」「大きい小さい」などの反対語をヒントに絵本を作るのが課題。単純な情操教育的絵本を想像したらNGである。ストーリィを含め、構成力・企画力などが求められる。編集デザインの延長のようなものだ。絵と文との組み合わせが基本で、絵のうまい下手はそれぞれの持ち味なので、へたくそっぽくてもまったく問題ない。大学が用意した210×270サイズの16色のラシャ紙を使って仕上げるが、ラシャ紙を切って貼付けても、色鉛筆で絵を描いてもかまわない。その他、使えるものは、色鉛筆と水性系の白と黒のペン、他の画材は使用できない。最終的に上製本で仕上げる。

ラフスケッチは必ず用意するのが前提。僕はラフスケッチの他に原寸大のカラーダミー(Mac上で作ってプリントしたもの)を持って行った。原寸で色を入れた方がイメージをつかみやすいし、OKが出たらすぐにトレースダウンをして作業にはいれるからだ。予定通り一発目で概ねOK。コピーを再チェックしてもらい制作作業に入った。

ラシャ紙の張り合わせのためにシングルのペーパーセメントを持って行ったが、溶剤で具合の悪くなる人がいるから使用不可とのこと。まあ、基本的にみんな同じ条件でやろうということです。スティック糊で台紙やパーツを張り込んでいくから大幅スピードダウンとなったが、そこは昔取った杵柄、台紙の貼り合わせと一部のパーツを切り出して、本日は終了。そこそこくたびれました。

写真は、(上)学校で用意しているラシャ紙。(中)サインペンで書いたラフスケッチ。枠を作って書き込むとイメージしやすい。(下)Macで作ってプリントした原寸大のダミー。普通の人はここまでやらないが、やっておくとスムースに進行できる。