益子焼窯元を訪ねた。2015/07/18 21:08

 工芸1のスクーリングはすでに終えているが、通信課題のレポート作成のためには、地域で産業としている工芸の現場を訪ねて取材することの必須だ。栃木県の工芸として浮かんだいの益子焼だ。もともと生活に使う皿や茶碗や丼が生産の主体だ。生産現場の自由見学ができるということで「つかもと」という益子で最大手の窯元を訪ねることにした。大手ということは量産できるシステムを持っている工場ということだ。工芸工業デザインという視点から、作家の工房はNGである。

工芸1-2-1
    ▲益子最大手の塚本窯

 朝8時過ぎに家を出て、窯元に着いたのが10時少し前。特に受付があるわけではないが、関係者らしき人物に断りを入れて見学する。ここは生産だけではなく、自社販売から、ロクロや彩色なども含めた陶芸教室なども行っている。わりと自由に見学できるが、残念ながらこの日はロクロを回す人が出張でいなかったが、その他の行程は大まか見ることができた。
 また、数名の人にお話を聞いたが、それぞれ仕事中にもかかわらず快く答えてくれた。特に陶芸教室の責任者の中根さんからは、益子焼の現状から、今後の方向性までいろいろ話を聞くことができた。

工芸1-2-3
    ▲ロウを塗って釉薬がかからないようにすうる作業
工芸1-2-4
    ▲釉薬掛け
工芸1-2-5
    ▲整形して乾燥中の器
工芸1-2-6
    ▲釜に入れる前の茶碗
工芸1-2-7
    ▲いろいろ話をしていただいた中根さん

 塚本窯としてのキーワードは「原点回帰」と「シンプル」ということだった。「原点回帰」は、いたずらに時代や消費者の迎合するのではなく、益子焼の持っている本質や魅力を考え、アイテムを絞りながらリプロダクトをする。それによって埋もれた価値を再発見したり、新たな価値を創造することだという。具体的には、彩色をシンプルにすることで、昔から使っている型の新たな魅力を再発見したり、既存のシンプルな形を生かしながら、何かを少しプラスアルファすることで現代的な価値を作る出すなどである。OEM的な生産請負もしているが、「つかもと」は中量生産工場なので、自社ブランドをもっと大切にしていきたいとのことだった。
 

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://sugapapa.asablo.jp/blog/2015/07/18/7710251/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。