科目試験の結果が出た ― 2015/01/24 22:18
西洋美術史Ⅰ、Ⅱと日本美術史の科目試験の結果が出た。評価は、西洋美術史Ⅰは67点で可、西洋美術史Ⅱは85点で優、日本美術史も85点で優だった。とりあえず、6単位獲得だ。
でも、手放しで喜べない。解せないのは、西洋美術史Ⅰの67点。ジョットとその時代背景を記述する問題だったが、予想通りの出題だったし、覚えたことはすべて書いたつもりだったから、少なくても70点台(良)はいけると思ったが、なぜ微妙な67点だったのだろう。
普通の試験なら回答用紙が帰ってくるから、なるほどと納得できるのだが、通信では答案用紙が帰ってこない。ダメはダメで仕方がないけど、どこがいけなかったかわかれば、自分の間違いを確認することができる。それが勉強する意味でもあるのだが…
問い合わせれば、回答用紙がもらえるのだろうか…。いづれにしても残念ながら「可」、映像文化論に続いて二つ目の可である。塩蔵文化論の時はまるで学習したことと違った問題で65点だったから、西洋美術史Ⅰの67点はまったく解せないのである。
まあ、いずれにせよ勉強不足ということでしょうか。
科目試験が終わった。 ― 2015/01/12 20:35
科目試験が終わった。2時限目開始10時45分から5時限目終了16時まで、長いようであっという間の一日だった。ヤマ張りまくりの試験勉強だったが、最終的な結果はともかくとして、張ったヤマは、ほとんど当たった。これも過去問サイトのおかげ。心から感謝!である。


まず、西洋美術史Ⅱ。ほぼ予想通りの出題だった。記述問題は「ロマン主義と新古典主義の違いを作品など挙げながらの説明」。この違いは「ギリシャ美術を唯一の基準とする」新古典主義、ダビッドやアングル。それに対してか「美は多様性がある」というのがロマン主義、ジェリコやドラクロア。この辺を中心にそれぞれの特徴と、作家名と作品を入れてまとめた。語句説明は、「ドイツ表現主義」と「ポップアート」。ほとんどの問題に作家名と作品を書き込むことができたが、唯一、ドイツ表現主義「ブリュッケ」のキルヒナーを思い出さず、回答することができなかった。
西洋美術史Ⅰは、予想通り「ジョットについて」のみ。これが外れたら完全にお手上げだったから、問題用紙を見たときはホッとした。ただ、それ以前のイタリヤ美術との比較と、その後どういう影響を及ぼしたかを具体的に作品などを挙げて説明しなければならなかったが、ジョット以前の作品を把握していなかった。ジョット以前の画家として、師匠のチマブーエを挙げておいたから多分セーフだと思う。
さて、最後は日本美術史。昨日夜、過去問のあるサイトを神にもすがる気持ちで見ていたら、日本美術史の新たな過去問情報を発見。「つくり絵」「見返り美人」「法隆寺釈迦三尊像」「俵屋宗達」「尾形光琳」「鈴木春信」に絞った。そして、出題は、ほぼ想定範囲の、「つくり絵」「見返り美人」「尾形光琳」。ポイントをきっちり抑えて解答することができた。記述問題は、ここ数年変わっていない「日本美術の特質」。国際交流と日本美術二つの語句を交えて論ずる。これについては、海に囲まれた日本の地理的風土的条件が、美の創出に影響したという、最低の特質は書いたが、気が利いた回答をすることができなかった。日本美術の特質を短い文章で著すのは、ちょっと難しい。
とにかく今年度の科目試験は、以上にて終了。これで、やっと6単位獲得できることになる。よもや不合格ということはないと思うが…
科目試験一夜漬け ― 2015/01/11 17:08
明日は、今季最後の科目試験だ。鷹の台の本校に行くのが億劫だったのと、まとめて一日で済まそうという魂胆で、御茶ノ水女子大で行われる科目試験を選んだ。
しかし、作戦ミスのような気もしてきた。日本美術史、西洋美術史Ⅰ、西洋美術史Ⅱの3科目。出題範囲が広大な上、この歳になると、いくら勉強してもなかなか記憶に定着しない。しかし、とにかくなんとか突破するしかない。今年度は、まだ1単位も取れていない有様だし…
最後の手段は山を張るしかない。Webにのっている過去問を全て調べて、時系列に並べて、傾向と対策を考えた。
まず「西洋美術史Ⅰ」。この科目は、「5つの語句解説と記述1問」と「記述1問」が交互に出題されていて、ここ2~3年の問題の内容と順番がほぼ一緒である。第6回目は、2011年、2012年、2013年が、全て「ジョットについて、その時代背景を含めて説明せよ」の記述一問だけ。ということで、とにかく、ジョットとゴシック美術のみに絞った。
「西洋美術史Ⅱ」は、過去に出題されたものから、今年出題されていない問題を、ピックアップ。記述問題は「新古典主義とロマン主義を比較し説明せよ」と、語句説明は「ドイツ表現主義」「抽象表現主義」「アールヌーヴォー」「ポップアート」を重点的というかそれだけ。
「日本美術史」も、語句説明は、すでに今年度出題された問題は除いた、過去問の情報が少なく、頭に入れる幅がちょっと広いがやむを得ない。それと記述は、過去全て「日本美術の特徴について」なので、これは必須。

ということで、ガシガシとノートに書いて頭に入れている。僕の場合。文字に書かないと頭に入らないタイプだから、今日はもう手が腫れぼったくて痛い。普段キーボードだから、手が弱っちくなっているのだ。さて、泣いても笑っても試験は明日。がんがります。
西洋美術史Ⅰ課題2講評 ― 2014/09/16 14:38
8月10日に提出したレポートの講評がやっと戻ってきた。旅行中のスペイン・セビーリャのホテルでメールチェックしたら、1ヵ月を1週間近くオーバーして講評がでていた。課題1と同様、細かく添削されたpdfが添付されていたけれど、もう少し早く戻していただけるとあり難い。まあ、それで勉強が進むわけではないけれど、結果って早く知りたいですよね。
以下講評。
すがPAPAさんこんにちは。担当のOです。全体的によく練られていて、読みごたえのあるレポートでした。図版も美しく、キャプションも適切です。要所要所の歴史的事項(ミラノ勅令など)に触れているのもよかったです。
今後のアドバイス、注意点は細かい点ばかりです。時々言葉足らずな部分が見受けられるので、黙読チェックをお勧めします。(良いところも多いですが。)また、もう一歩具体性が出せると思います。それはロマネスク、ゴシックの部分で指摘しましたが、例えば「感動的」という言葉は見る側の主観的判断に基づく価値を表す言葉なのです。つまり、万人が納得しえないかもしれない、ということです。レポートは客観性が求められますので、なるべく具体的な、観察や文献から判明する万人が納得する事実を収集する必要があります。この点を解消するには、とにかくひたすら具体的に書くことを心がけることだと思います。
しかしながら、全体的によく考えられた構成で、大変良いレポートでした。今後ともどうぞ頑張ってください。応援しております。


参考にした美術書ではビザンティンで表記されていたので、あえてビザンティンに入れたガッラ・プラチーディア廟の『善き羊飼い』は、「聖堂自体 もですが、ローマ 末期 の作例、 つまり 初期キリスト教美術 に位置 づけられるのが一般的です。」とのこと。
やっと提出、西洋美術史Ⅰ ― 2014/08/10 16:18
西洋美術史Ⅰの課題2をやっと提出した。範囲が広くて混沌としていたが、考察する作品を絵画(壁画、写本等も含
む)に絞ったら、「神の形象化」の流れが見えてきた。とにかく資料が少なくて弱ったが、教科書や参考文献の写真の無い記述もネットで画像を確認、時代的な表現の変化と流れを把握。いつものパターンで文字数に関係なくどんどん書いて、全体の文章を大まかに作り、それを削り込んでまとめた。
以下、レポート抜粋
中世美術が、神を可視の存在としてどのように形象化し、時代によってどう変化してきたのか。中世美術の絵画作品を中心に考察する。
初期キリスト教時代(2世紀末~5世紀頃)
カタコンベ(地下墓所)には、素朴な壁画が数多く見られるが、偶像崇拝を禁ずる教義のため、記号や寓意的人物など暗示的表現の図像が祈りの対象とされた。プリシッラの『善き羊飼い』では、キリストを羊飼いの若者として、信者を迷える子羊として表している。313年のミラノ勅令でキリスト教が合法化されると、大規模な教会堂の造営が進み、天井や壁には、聖書の内容が理解し易いように体系的な図像が描かれた。
ビザンティン (324年~1453年)
ガッラ・プラチーディア廟の『善き羊飼い』は、頭上に金輪を頂き十字架状の杖を抱くなど、神性が強調されて描かれ、聖カタリナ修道院の『キリストの変容※4』では、金色の背景や七筋の光など、神性を演出した様式的・超越的な表現となっている。聖カタリナ修道院にある『キリスト※5』のイコンは、物質的偶像ではなく、聖なる原像の顕示と考えら、写実的な手法で描かれている。イコノグラムで衰退した美術は、843年の宗教会議で偶像崇拝肯定派が正統とされ再び復興。悲しげな表情のマリアや粛な面持ちのキリストが描かれ、後期になるにつれ人間的感情が強く表現されるようになる。

▲添付資料1
西欧中世初期 (5世紀後半~10世紀)
ケルト民族が描いた『ケルズの書』では、緻密で複雑な装飾文様の中央に抽象化されたキリスト描かれ、ケルトとキリスト教文化が融合した表現となっている。また『オットー3世の福音書』では、金地に輪郭を強調した硬い筆致で、大きな目や大げさな身振りのキリストが表現主義的に描かれてる。
ロマネスク (10世紀後半~12世紀)
サンタンジェロ・イン・フォルミス大聖堂の『キリスト磔刑』は、単純化されたイタロ=ビザンティン様式で描かれ、苦しみを克服した勝利者としての表現されている。また、サン・クリメン教会の「栄光のキリスト」は、単純明快な線と鮮やかな彩色など、この地方独特の筆致で描かれている。青いマンドルラに坐すキリスト像は、まさに超越的な神の栄光を表わしている。
ゴシック (12世紀後半~13世紀中期)
ゴシック建築の大聖堂内には、光の演出によって見えない神の存在を表そうとステンドグラスが飾られた。絵画ではチマブーエによって人間的で自然な聖人が描かれるようになる。さらに、その弟子のジオットによって、感情を表した感動的な表現で、人間的な聖人像描かれ、絵画の時代の出発点になった。

▲添付資料2
以上、考察してきた。初期には記号や寓意的人物として表された神・キリストは、その後、人間の姿をしながら超越した存在として描かれるが、時代が進むにつれて感情を有する人間と同様に描かれるようになる。これは、神が超越的な存在から、人々の身近な存在になった結果であると結論づけられるのである。
ガンバってまとめたつもりだけど、これでよかったのかどうか。課題1の提出から2ヵ月半以上もかかりましたが、いつものことですが一筋縄ではいきませんね。さて、つぎは西洋美術史Ⅱですが…
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