工芸論をぼちぼち2015/06/19 08:55

 いつのまにか6月下旬。40余年勤めた会社の退職や、結婚40周年記念旅行などが重なり、なにかと多忙で勉強がほとんど手がつかない状況が続いているが、少しでも履修科目を消化しようと、工芸論に手をつけた。教科書は日本美術史と同じ「日本造形史」。これがわかりにくい教科書でぜんぜん頭にはいらないので、とにかく課題に取り組むことにした。

 工芸論の課題1は「日本の工芸のうち、海外との交流から影響を受けたと考えられる作品を選び詳述しなさい」というもの。課題に選ぶテーマの例が載っている。(例1)正倉院宝物から、(例2)陶芸から、(例3)染色から、(例4)漆工から…で、ポイントは「造形や衣装を、自分の眼で鑑賞し、自分の言葉で描写する」とあること。つまり実際に鑑賞できなければレポートは書けないとうことだ。正倉院宝物はすぐに見ることができないからNG。で、陶芸の伊万里焼を選んで詳述するに足る作品があるかどうかネットでチェック。いけそうな17世紀の伊万里焼があったので、さっそく東京・上野の国立博物館に出かけた。

kogeiron1-1

 お目当の伊万里焼は、重要文化財に指定されている「色絵花鳥文大深鉢(いろえかちょうもんおおふかばち)」。伊万里焼は、豊臣秀吉の朝鮮出兵の際、有田を含む肥前の領主であった鍋島直茂に同行してきた陶工たちの一人の李参平が、1616年(元和2年)(1604年説あり)に有田東部の泉山で白磁鉱を発見し、近くの上白川に天狗谷窯を開き日本初の白磁を焼いたとされる。有田焼を含め、肥前の磁器は、積み出し港の名を取って「伊万里」と呼ばれていた。色絵花鳥文大深鉢は、初期の柿右衛門様式(色絵磁器)の伊万里焼である。

kogeiron1-2
kogeiron1-3

 現物を見たが、いまひとつその良さがわからないのは、陶器に対してほとんど知識を持たない故であろうか。伊万里焼にイメージする緻密な絵柄や彩色とはやや趣が違うような印象もあるが、とにかくこれについて詳述することにした。 前途多難なり。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://sugapapa.asablo.jp/blog/2015/06/19/7671946/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。