グラ基礎1後半スタート!2011/10/21 22:10

グラ基礎1 初日
グラ基礎の後半戦は、武蔵美通信の名物と言われている蝶課題だ。課題のテーマ自体は「蝶を3匹制作せよ」といたってシンプルなものだが、これはグラフィックデザインのエッセンスが盛り込まれていて、なかなか奥が深い。

初日午前中は前提講義。その後に蝶のアイデアを考えてラフスケッチにする。この課題のよくあるパターンは、テーマを決めてその周辺パーツを組み合わせて蝶にみたてるパターン。例えば、テーマをお菓子にして、チョコレート、キャンディ、ビスケットなど3種類のカテゴリーの蝶を作るなど。もう一つは、共通したテーマの三つのビジュアルを蝶の形に押し込めるというか切り抜くパターン。例えば、テーマをエネルギー問題として、水力、火力、風力などのビジュアルを蝶の形で切り抜くもの。この二つの合わせ技もある。水力を水、火力を炎、風力を空としてビジュアルかする。水滴でできた蝶や炎の蝶などが出来上がる。
でもそのレベルだと「それで?」「だから?」と突っ込まれたら、コンセプトも何も説明できなくなってしまうのだ。

僕も最初は少し甘く考えていて、それらをもうひと捻りしてアイデアをまとめようと思っていた。しかし過去の作品を見せてもらうと似たような作品は山のようにある。80点以上とっている作品はそこに抜きん出たアイデアが埋め込まれている。

前提講義で平野先生がいっていたが「いろいろ素材を揃えたり、考えて来た人もいると思うが、それは無駄な努力です(笑)」と、まさにその通りだ。ズブの素人ならそれでも良いが、少しでもクリエイティブをかじった者としては、イージーなまとめはできない。和・洋・中華とか、蕎麦・うどん・ラーメンなど、形に置き換えるアイデアは、テーマの統一性があって三つ揃えばすぐ出来る。世界の三大◯◯など、ひねりのないものならいくらでも出てくる。僕らのグループを担当した福井先生からは、せっかく大学で考えるのだから、仕事とは違う頭で深くいろいろ考えてくださいとの注文。確かにそうなのだが…

その中で、蝶とは何か、単なる蝶の形や蝶に見たてること以外の切り口で蝶は現れるのか。頭をグルグル回しペンをグルグル回していた時にひらめいたのが、ヒモを使って蝶を描くアイデアだ。ペンでグルグル輪を書いていると四つの輪で蝶々が出来上がった。これをひもやコードなどを使ったらなにかできると思いアイデアを詰めていった。モノではなく思いを蝶に込める、見えるモノではなく見えないなにかを蝶にする、これがポイントだった。
とりあえず家に帰ってから妻から糸を借りてグリグル蝶を作って撮影。二日目のPC作業に備えた。

写真上は、蝶々のラフスケッチ。  下段は、妻の毛糸を借りて撮影しているところ。