日本美術史、始めました。2014/04/05 17:23

 4月に入って、やっと日本美術史に手を付けた。課題1は12世紀のやまと の技法を伝える「源氏物語絵巻」「信貴山演技絵巻」の2点を比較し、文化的な背景などに留意しながら、それぞれの表現上の特色を述べなさい」というもの。

 さっそくアマゾンで中古品を検索。小学館のアートセレクションシリースの「じっくり見たい源氏物語絵巻」と「躍動する絵に舌を巻く…信貴山縁起絵巻」を購入した。この時代の絵にまったく興味がなかったから、絵巻の存在は何となく 知っていただけ。でも、解説を交えてじっくり見てみると以外と面白いし、興味深い。

日本美術史1

 両者は12世紀中庸の作品といわれているが、テーマはそれぞれ150年以上前のお話。絵は静に対して動、絵画に対して漫画、スライドショー的に対してムービー的。同じ時代の描かれた絵巻にしては、まったく異なる表現形式である。女絵と男絵というらしい。なんとなく2つの違いは判ったが、もう少し他の資料も あたって考察しなければならない。さてどんなレポートにまとめようか。

日本美術史の進捗状況2014/04/12 08:27

 『源氏物語絵巻』と「信貴山縁起絵巻』の表現の比較だが、国宝だけにネット上も含め参考資料はけっこうある。ムサビ通信の課題らしき文章も見られたが、描かれている内容に間違いはないものの、論旨に納得のいかないところも多い。小学館のアートセレクションシリースの「じっくり見たい…源氏物語絵巻」と「躍動する絵に舌を巻く…信貴山縁起絵巻」に加え、図書館で「日本の美と文化art japanesqu7-絵巻と物語」を借りて、三冊の資料とネットからダウンロードした資料を見比べながらレポートを進めた。

 試行錯誤していたが、ポイントが「院政文化と摂関文化の違い」にあることに気がついた。この二作品はいずれも 平安末期12世紀中期の院政期に制作されている。しかし、『源氏物語絵巻』の原作はそれより150年ほど前の11世紀初頭であり、その当時の貴族・摂関文化が描かれている。「信貴山縁起絵巻』はまさに平安末期、王朝貴族社会から武家社会への転換期、地方の豪族や武士が力をつけ始めたその時代の庶民生活が描かれている。それともう一つのポイント、この頃の絵巻は貴族のために制作され、筆致や表現がまさに対極にあっても『源氏物語絵巻』「信貴山縁起絵巻』ともに、貴族が主な鑑賞者であったということ。この二点を理解できたので、あとは 蟇目鉤鼻や吹き抜け屋台、男絵、女絵など表現的対比を整理すればレポートはまとまる はずだ。

日本美術史課題1提出2014/04/15 06:07

 日本美術史の課題1が出来上がったので、さっそく提出した。


以下、レポートの抜粋


「絵巻」は日本独自の絵画様式で、画面には過去と未来という時間軸と、右→左という行動の方向性が組み込まれている。絵と詞書で構成されるが、『源氏物語絵巻』は絵と詞書が交互の「段落式」、『信貴山縁超絵巻』は場面を連続して描く「連続式」。この2作品を比較し表現特徴を考察する。


 『源氏物語絵巻』は、12世紀中頃の作品。原作は11世紀初めの『源氏物語』。この時代は王朝貴族文化の絶頂期で、本作品には平安貴族の華やかな暮らしぶりが描かれている。同時に摂関文化の有り様を伝える貴重な歴史資料ともなっている。

 様式化された画態は「女絵」と称され、画面は、下書きの上に厚い彩色を塗り重ね、ニュアンスのない輪郭線で仕上げる「つくり絵」で描かれている。貴族の顔は、空豆形の輪郭に「引目鉤鼻」といわれる一見類型的で簡略な方法で描かれているが、人物の情感表現に高度なテクニックが駆使されている。建物内の情景は、屋根や天井などを省き斜め上から俯瞰する「吹抜屋台」である。水平構図と、斜め構図が場面によって巧みに使い分けているほか、手前より奥の方を広く描く「逆遠近法」用いられている。


『信貴山縁超絵巻』は、実在した天台宗系の僧侶「命蓮」が、その法力で奇跡を起こす様を語った平安末期の説話絵巻。三つのエピソードで構成され、この時代の風俗や自然を今に伝えている。

 線描を主とした画態は「男絵」と称され、流動的な描写が特徴的。人物は誇張された庶民に対して、貴族は引目鉤鼻、長者は整った目鼻立ちで描かれている。絵巻の人々は貴族の目から見たもので、庶民に対する優越感を示すものといえる。場面転換に「霞」が使われているのも特徴的。護法童子登場の場面では、逆勝手で劇的状況を演出。漫画で多用されている効果線にも注目。輪宝が高速回転している様子や、彼方から移動してきた状況が表現されている。その他、異時同図法など斬新な技法が見られる。


 以上、二作品を比較考察したが、いずれも「やまと絵」の技法を現在に伝えるものである。移り変わる歴史の中で、貴族趣味の伝統がいっそう洗練されると同時に、新しい感覚の文化胎動が始まった。このような時代背景があって両極ともいえる絵巻作品が出来上がったといえる。


 今年度初の課題提出です。これまで日本美術史などあまり興味がなかったが、やってみると以外と面白い。次は浮世絵課題です。


課題2は葛飾北斎だ!2014/04/20 17:02

 日本美術史の課題2は「江戸時代の庶民文化の華とも称される浮世絵、その中から任意の一名を選び、作品を挙げて特質を論じなさい。なお肉筆画と版画の役割、技法、時代背景、国際交流などの観点を理解した上で課題を進めること」。1人を選んで論じよとあるので、好きな浮世絵師、葛飾北斎か東洲斎写楽かでちょっと迷ったが、技法や時代背景、国際交流がらみでレポートをまとめるとなると、写楽の場合あまりにもその活躍時期が短すぎる。ここはやっぱり『富嶽三十六景』の北斎でまとめることにした。

 北斎の代表作といえば、なんといっても『富嶽三十六景』。その中でも、「神奈川沖浪裏」、「凱風快晴」は、現代アートのようなインパクトがあり好きな作品だ。教科書では。尾形光琳と同じグループにジャンル分けされている。二年前に仙台博物館で本物を見たけどやはりスゴイ迫力があったし、グラフィックデザイン的なところが北斎と通じるところがある。『富嶽三十六景』のその当時の本物をまだ見たことがないが、上野の東京国立博物館に所蔵されているらしい。機会があったら 是非みたい。

 で、どうまとめるかだ。北斎の略伝、特徴、時代背景はもちろんだが、浮世絵とはなにかということも語らなくてはいけないし、国際交流といえば、19世紀後半にフランスを中心にヨーロッパを席巻した日本趣味「ジャポニスム」も絡めないといけないかな。とりあえず、webで資料収集から。

日本美術史2資料

 写真はアマゾンで買った中古本。浮世絵全体を概観するために、「カラー板浮世絵の歴史/美術出版社」「Pen 2014新年合併号/浮世絵の正体」と学研ムック「今、浮世絵が面白い!」の葛飾北斎編、喜多川歌麿編、歌川広重編、東洲斎写楽編。北斎だけ買えば事足りたが、 きょうみがあったので、歌麿、広重、写楽も買ってしまった。
。Penの「浮世絵の正体」はおすすめ。ざっくり浮世絵とはなにかが概観できる。一冊+学研ムックの浮世絵師の一冊があれば、レポートが書ける。

参考文献リストの添付2014/04/22 12:55

 現在、日本美術史課題の2レポートを進行中だが、いつもの問題が…。レポートには、2200文字の制限があるのでWebでのレポート提出を前提にすると、参考文献や引用文献が多い場合、せっかくまとめたレポートを数百文字単位で削らなくてはいけない。手書きの場合は欄外に書けるので、2200字ぎりぎりにまとめても問題ない。手書きの場合と同様の条件と考えて、参考文献リストだけPDFなど添付書類で送ることが可能か質問してみた。

以下メール
質問:「参考文献リストについて」
日本美術史に限りませんが、参考文献や参考URLが多い場合、
2200字の文字数を意識すると、レポート本文を削らざるを得なくなります。
レポート本文を削るのは、本末転倒のような気がしますが、
このような場合、参考文献のリストをPDF等で添付しても差し支えないでしょうか。
ご回答、よろしくお願いいたします。

回答:
通信事務部レポート担当です。
参考文献などは「添付ファイル」で提出されても問題ありません。
なお、科目により「添付ファイル」「参考URL」の添付できる数が異なっておりますので、ご確認ください。
よろしくお願いいたします。
回答者:西間木 亙

 ということで、参考文献リストを添付するのは問題ないとのこと。案ずるより生むがやすし!?早く聞いておけばよかった。いままで、カタカナを漢字にしたり、言い回しを変えたり、ばっさり一文削ったりと、文字合わせが一苦労だった。文章を短くしすぎて意味が通じにくくなる場合もしばしばだったが、これで解決!です。
日本美術史課題2のレポートもメドがつきそうだ。