西洋美術史Ⅱ課題1提出2014/10/05 11:07

 いろいろ悩んだ、西洋美術史Ⅱの課題1を提出した。「ルネサンス」「マニエリスム」「バロック」「ロココ」「新古典主義」「ロマン主義」の中から、一つの美術潮流を選び、その芸術的特質と歴史的背景について論じなさいという課題から、「バロック」を選んでレポートにまとめた。初めは「マニエリスム」でいこうかと調べたが、「マニエリスム」の概念が曖昧で資料によって、取り上げる画家や建築家が違うので、確信的なレポートにまとまりにくかった。

西洋美術史2-1

以下、レポート抜粋
 ルネサンス期から近代に至る400年余りの間に様々な西洋美術の潮流が現れた。そこから「バロック」を選択し、その芸術的特質と時代背景について考察する。

 「バロック」とは、16世紀末のイタリアに始まり、17世紀のスペイン、オランダ、フランスなどに広まった反古典主義的な美術様式。語源は「歪んだ真珠」という意味のポルトガル語で古典主義的立場から「規範からの逸脱」を意味する否定的な形容詞として17世紀の美術に使われその後17世紀全体の美術様式を表わす言葉として定着した。17世紀のヨーロッパは、絶対王政国家が確立した時代であり、対抗宗教改革が高まりを見せた時代でもある。教皇権力の増大で、新たな宮殿建築が進み、美術の需要は急増、動的な造形や凝った装飾、効果的な光の演出などの教会芸術が生まれていった。

 この時代の絵画の特徴は、現実への関心の高まりから生まれた写実的な表現にある。宗教画や神話画においてリアルな描き方が主流になっていったと同時に、風俗画や風景画・静物画などが独立したジャンルとして成立する。また、光に対する関心もこの時代の特徴ともいえ、宗教画の聖性を演出する一方で、風景画に時間的な要素をもたらしている。バロック絵画の特徴として、激しい動きや強烈な明暗対比・現実的な表現があげられるが、地域によってその様相は異なり、カトリック世界と、プロテスタントでは大きな違いがある。

 以下にバロック期の代表的画家と絵画作品をあげる。強烈な明暗対比という決定的な新機軸でバロックの先駆者いわれるのが、イタリアのカラヴァッジョである。『聖マタイの召命』に見られるように、聖人さえも日常的な設定の中に現実感溢れる庶民の姿で表わしている。その作風は、バロック期の作家に大きな影響を与えた。
 狭義の意味でのバロック絵画を代表するのがフランドルのルーベンスである。『キリスト昇架』など、ダイナミックな人体表現と明暗法で独自の様式を完成させている。
 ベラスケスはスペイン・バロック最大の巨匠といわれ、鋭い描写力と革新的な描画法で肖像画や神話画を描いた。『ラス・メニーナス』は集大成ともいえる独創性溢れる大作である。
 オランダでは、宗教とは直接関係のない、日常を描いた風俗画や風景画が多く制作された。当時のオランダを代表する画家がレンブラントである。『夜警』などバロック的作品や、人間の内面に迫る独特の世界を描いた。

 以上、「バロック」の芸術的特質と時代背景について考察してきた。画家たちが、自らの個性求めた結果がバロックを作り、その後の近代絵画に大きな影響を与えたといえる。