日本美術史の進捗状況2014/04/12 08:27

 『源氏物語絵巻』と「信貴山縁起絵巻』の表現の比較だが、国宝だけにネット上も含め参考資料はけっこうある。ムサビ通信の課題らしき文章も見られたが、描かれている内容に間違いはないものの、論旨に納得のいかないところも多い。小学館のアートセレクションシリースの「じっくり見たい…源氏物語絵巻」と「躍動する絵に舌を巻く…信貴山縁起絵巻」に加え、図書館で「日本の美と文化art japanesqu7-絵巻と物語」を借りて、三冊の資料とネットからダウンロードした資料を見比べながらレポートを進めた。

 試行錯誤していたが、ポイントが「院政文化と摂関文化の違い」にあることに気がついた。この二作品はいずれも 平安末期12世紀中期の院政期に制作されている。しかし、『源氏物語絵巻』の原作はそれより150年ほど前の11世紀初頭であり、その当時の貴族・摂関文化が描かれている。「信貴山縁起絵巻』はまさに平安末期、王朝貴族社会から武家社会への転換期、地方の豪族や武士が力をつけ始めたその時代の庶民生活が描かれている。それともう一つのポイント、この頃の絵巻は貴族のために制作され、筆致や表現がまさに対極にあっても『源氏物語絵巻』「信貴山縁起絵巻』ともに、貴族が主な鑑賞者であったということ。この二点を理解できたので、あとは 蟇目鉤鼻や吹き抜け屋台、男絵、女絵など表現的対比を整理すればレポートはまとまる はずだ。

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