工芸Ⅰ、レポートの添削2015/05/29 09:04

工芸Ⅰのスクーリングで書いた、レポートの講評が戻った。ワープロ出力がお多い中、先生のまなざしを感じる手書きの文章である。

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以下、講評。
    「すがPAPAさん
     良いレポートですね。
     おっしゃるとおりですが、ひとつ踏み込んで
     もう一度考えてみて下さい。
     工芸があつかう素材についてです。
     絵筆は植物と動物の毛から出来ています。
     絵具は鉱物です。人は誰もが皆他の
     命とつながっています。
     民芸のゆがんだ形は、
     親しみを感じさせ、物との距離をちぢめる
     したしみやすさにあふれています。共に生きる
     ことを感じさせる それが工芸の良いところです。
     林の中で暮らすこと、ていねいに暮らすこと、
     どう生きるかち云うことは 美意識そのものです。
     生活者の成熟がなければ工芸は
     消えてしまうかもしれません」

「人は皆、他の命とつながっている」という言葉が工芸の本質なのかもしれない。デザインのことに重きを置いて、工芸を見ていたが、なるほどと納得させられた。それと「生活者の美意識の成熟」、自分は成熟した美意識を持っているのだろうか?

工芸Ⅰの通信課題は、工房や工場の見学とそのレポート。当分忙しいが、早いタイミングで、見学に行きたいと思ってる。栃木だから、益子焼かな。ちょっと遠いけど…

工芸Ⅰスク最終日2015/05/17 21:12

 レポート制作のためにiPadを持参することにした。年とともに漢字が書けなくなっちゃって(汗) 、いきなり手書きなんか絶対できないぐらい漢字がでけこないわけです。ともかく東京に向かう新幹線の中で、二日間を振り返りながらレポート制作。最終日の前半は、通信課題の進め方の説明。いわゆる工芸品を作っている工場や工房を訪ねて、レポートをまとめるというのが通信の課題。工芸製品を作っているところを探さなければいけないが、一点物を作る作家はNG。まあ、小ロットでもわりと一般的に流通している製品、伝統工芸青山スクエアに置いてある程度の工芸品がベストな感じです。

 課題説明の後は、製図のできない人向けのレクチャー。通信課題でテーマにあげた製品の図面が必要だからだ。製図がある程度できる人はレポート作りということで、iPadでひたすら文章を打ち込む。プリント提出でも良いのだが、今回は工芸という手仕事にも似たテーマでもあり、ワープロプリントではなく、最終的に手書きでまとめることを決めた。iPadの原稿はあくまでも下書き。これなら漢字を辞書で引く手間はない。午前中に粗々原稿をまとめた。手書きは時間がかかるので、時間をロスしないように今日の昼食はパン。手早く済ませて、ひたすらレポートを書く。字が下手くそで嫌になってしまう。まるで小学生の時のようだ。手書きレポートに手こずりながら、3時半過ぎに完了。持参した封筒に自分宛の宛名を書き切手を92円分貼って、レポートを提出。なぜ92円かといえば万が一の重量オーバー対策だそうだ。もちろん4種郵便でもない。で、先生がチェック&採点した後で、そのレポートが自宅に送られてくる仕掛けだ。

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レポートの内容は…
「工芸とは何か。教科書には「もの」としての工芸は、日常生活において使われ、機能を優先しながら美的な要素と効果を併せもつ道具、器物を指す。また「わざ」としての工芸は、それらの「もの」を製作する活動や技術、技法を指す」とある、これを踏まえて、工芸の現代的な意味と、工芸が私たちの暮らしの豊かさに果たすべき役割について考察する。地域に根ざした工芸品は、現在でもさまざまな地域で生産されている。かっては生活を豊かにした地域文化だが、ライフスタイルの変化とともに、道具としての必要性がなくなったり、安価な樹脂成形品に置き換えらるなど、未来は決して明るいものではない」として、初日、2日目のブログに書いた見学や特別講義から感じたことを中心にをまとめた。もう少し推敲したい所だったけどコピペができないから諦めた。文章は雑でも意味は通じるだろう。ということで4時過ぎに帰途に着いた。

それなりに疲れたけれど、楽しい授業でした。

工芸Ⅰスク2日目2015/05/16 22:07

 午前中は講義。前日に引き続きテーマは「日本人の美意識」。日本らしさとは何か。細かいことにこだわったり、清潔好きだったりなどしょせいてきであること。日本には資源がないから、加工することに長けている。視点を変えて別な価値感を生み出すのが得意。日本人の美意識は室町時代に成立したとして、イザナギ、イザナミの神話から、古事記、日本書紀、大化の改新ときて、10世紀にかな文字がうまれ、儚いもの、細やかなもの、小さなものを慈しむ「ものの憐れ」という思想ができた。物の憐れは、仏教でいう「無常感」であり、大和ごころであり、日本人の美意識の根幹になっているなどなど、。かなり駆け足の講義だったが、日本史のアナザストーリィーのようで面白かった。改めて資料を探して調べてみようかな…

 さて、午後からは、江戸指物師の戸田さんの特別講義。昨年まではいろいろな工房に見学に行っていたが、仕事の邪魔になるし、見学を快く思っていない工房もあり、今年から職人さんを呼んで講義をしてもらうことになったそうだ。作りかけの作品や道具類を披露していただきながらの講義。桑の木などの高級木を使った緻密な箱や家具。ほぞを刻んで金釘を使わずに組み立て華奢に見えるけど堅牢。「パンフレットのキャッチフレーズには「素材の美と味わいを最大限に生かし、見えないところに技を凝らした江戸指物の真骨頂」とある。ものずくりへのこだわりが凄い。効率第一主義の時代に、このような職業が存在し、愚直に、妥協せず、完成度を求めてゆくその姿に感動すら覚えた。道具として、高価な材料と時間を使いそこまでやる意味があるのかという疑念は無くもない。しかし、それを買い求める人がいることも事実。作る側と買う側の相互理解の上に成り立つといえるが、極論すると、道具を買うのではなく、戸田さんの人となりと職人魂という、目に見えない付加価値を買い求めているともいえる。

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    ▲島桑(御蔵島)で作った小箱162万円!!!
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    ▲カンナやノミはすべて自作。さまざまな形がある。

 この後、江戸指物の価値はどこにあるかをディスカッションして終了した。明日はレポート提出。いろいろ調べて下書きを作ってしまおうと思ったが、先生の「まとめようとしなくて良い」の言葉があったので、調べたことより感じたこと、体験したことをまとめようと決めて、明日になってから考えることにした。

工芸Ⅰスク初日2015/05/15 22:37

 ひさひぶりのスクーリング。工芸Ⅰである。6時55分発の新幹線で出発。終点東京で乗り換えて、8時30分に新宿サテライトに到着した。

 机の上にレジュメが置かれている。本日の予定は、午前中が講義、昼食の後、各自で駒沢の「日本民藝館」に移動、14時から見学。次に青山に移動して「伝統工芸青山スクエア」を見学、その後、現地解散の予定だ。

 講師は小林良一先生。講義内容は、現在の日本における工芸の意味について。「工業製品は、少品種の大量生産から多品種小ロットに変わり、消費者のニーズに応えるため、さらに細分化される。工業製品の究極として「個々の好みに対応していく製品になるだろう。それは手仕事である工芸が持っていた役割と同じである」という話。もう一つは「工芸を地域風土に根ざした生活用品として捉え、いわゆる伝統工芸が、生活価値観やライフスタイルの多様化で、衰退を余儀無くされている。国・経済産業省の施策として取り組んでいるが、なかなか上手くいっていない」といういう話。それと「日本人の美意識について」がちょこっと。これらの講義と見学から、工芸の現代的意味と、工芸がわれわれの暮らしの豊かさのさに果たすべき役割を探すのが、工芸Ⅰの大きなテーマとなる。

 昼食を銀蔵の寿司ランンチで済ませて、小田急線で日本工藝館に向かう。最寄駅は新宿から8分の東北沢。炎天下を歩いて15分、集合時間より20分以上早く到着した。日本民藝館は柳宗理が創設した伝統工芸品を収蔵する美術館だ。現在の5代目館長はプロダクトデザイナーの深澤直人。民藝という思想的なものがベースだから、展示品は一般的な工芸品から見ればかなり異質。「これが工芸なのだろうか、展示する価値があるのだろうか」展示品を見た時の偽らざる感想である。特に驚きもない、ごく普通の古びた生活用品、歪んでいたり、割れていたり、不揃いだったり、工芸品としての完成度は語るべくもない。しかし、すべてにいえることは、市井の人々が使っていたであろう道具としての力強さであり、素朴で、おおらかで、暖かく、心を和ませる何かがあるということである。それを美として捉えるか否かは別として、それなりのインパクトがありました。
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    ▲日本民藝館/外観
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    ▲日本民藝館/内部

 次は伝統工芸青山スクエア。日本各地の伝統工芸品を展示販売している。ざっと見た第一印象は、さまざまな伝統技術を駆使した工芸品ばかりであるにもかかわらず「欲しいものがない」ということ。もう一つは、伝統工芸をなんとか現代のライフスタイルに合わせようと葛藤する痛々しい姿である。漆塗りのワイングラス、蒔絵や螺鈿のブローチ、秋田杉樽のビアジョッキ、キャラクター化された包丁、などなど…消費者に迎合したかのような歪な工芸品が姿である。ものとしての機能が満たされ、それが伝統技術によるものでも、デザインに魅力のないものに市場性があるとは思えない。

ということで現地解散。なかなか面白い1日だった。