建築史、科目試験2016/09/05 07:16

建築史と工芸論のダブル科目試験である。10時2分の新幹線、大宮経由で新宿校へ向かう。移動中も想定問題を読んで頭にいれる。油断するとすぐ忘れてしまうので困ったものだ。試験会場は、去年まではお茶の水女子大だったけど今年は新宿校。お茶の水女子大のひな壇の会場でいかにも試験な感じがあったけど、新宿校は平机を並べただけ、ちょっと寂しい。

建築史科目試験01

建築史、科目試験02

 さて、建築史の出題である。古代、中世、近世、近代の時代区分のうち、2つ選び、様式の特徴とその建築物、もしくは同時代の建築物の特徴についての論述」でのは想定通り。さらにその意義も書きなさいとあった。
 問題はその中身だ。古代は「◯◯◯◯のバジリカ式教会堂」、中世は「アミアン大聖堂」、近世は「ブルネッレスキのスペダーレ・ディ・サンタ・マリーア・デッリ・イノチェンティ」、近代は「クリスタル・パレス」。
 
 古代は初期キリスト教建築だが、名前忘れましたというか、はなから頭にない。クリスタルパレスは、ガラスと鉄の建物ぐらいで細かい知識はない。ということで、これら以外の二つを選択した。
 中世は「アミアン大聖堂」。建物の細部は頭に入れていなかったので「ランス、シャルトルとならぶ、フランス・ゴシック大聖堂の代表的な建物。ゴシックの特徴をすべて兼ね備えている」として、後は「ゴシックの尖頭アーチ、交差リブ・ヴォールト、フライング・バットレス」を説明。その意義は「見る聖書として、聖書をステンドグラスによってビジュアル化、字の読めない多くの民の精神的支柱となった」とした。
 近世は「ブルネッレスキのスペダーレ・ディ・サンタ・マリーア・デッリ・イノチェンティ」。これ、後で調べたら捨子養育院のことだった。試験の時は、全くどんな建物か想像つかなかったから、「ブルネッレスキの手になるフィレンツェ大聖堂のドームの着工された1420年がルネサンス建築の始まりで、17世紀初頭まで続いた。しかしドーム以外は、ゴシック建築であり、真のルネサンス建築とはいえない」として、「初めてのルネサンス建築は、ブルネッレスキの捨子養育院で、下がアーケード、上が平らな壁面で構成されている。アーチ、エンタブラチュア、四角い窓のついたペディメントなど、古代ローマの建築要素を組み合わせて、それまでにない建築表現をした」とした。意義は「ルネサンスを含めた古典主義建築は、その後のヨーロッパ近代建築に影響を与えた」と書いたけどちょっと違うかな?

 細部はともかくポイントは押さえられたと思う。点数配分は各50点として、1問目25点、2問目35点として、60点はなんとかいくでしょう。

工芸論、科目試験2016/09/05 07:23

建築史と工芸論のダブル科目試験。3時限目の建築史に続いてすぐ工芸論。その間15分、実質的には10分程度。それでも、ざっと想定回答に目を通す。

工芸論03

 工芸論1問目は「正倉院宝物の名称と用途の記述」。回答は「漆胡瓶(しっこへい)」「水差し」以上。
 2問目「作品名をあげ漆芸の技法名とその技術的特徴の記述」。ここがちょっと想定外(汗)。技法の説明はまったく勉強していなかったのでどうするか考えたが、最初想定していたのが尾形光琳の「八橋蒔絵螺鈿硯箱」だったので、技法名を「螺鈿」として「漆に意図した形に成形したアワビなどの貝殻をはめ込み漆とともに研ぎ出す技法」と説明、それに続いて八橋蒔絵螺鈿硯箱の細部の説明をした。
 3問目「近世工芸から一点あげ、その名称と特徴」。これは想定通りで、野々村仁清の「色絵月梅図茶壺」を説明した。
 4問目は「重要無形文化財保持者から、その技法の説明」これも想定通りで、「柿右衛門・濁手」をあげ「白い空間を生かした柿右衛門様式と、その色絵を生かす特徴的な白素地である濁手」の説明をした。

 点数配分予測は、1問目が10点、後は30点の合計100点といったところ。ここから得点計算すると、1問目が10点、2問目10点、3問目25点、4問目25点として70点「良」な感じです。

 何はともあれ、科目試験は終わった。「お疲れさん!」ということで、試験会場にいた学友と新宿に繰り出した。

工芸論01

工芸論02

 どんな点数であれ合格すれば、建築史と工芸論合わせて6単位である。獲らぬ狸の皮算用だが、これで総単位数は113となる。卒業まであと11単位。残っている専門科目と卒業制作で9単位だから、文化科目で後2単位取れば、124単位。卒業が見えてきた!